- 他社が採用SNSを活用しているが自社でもやったほうが良いのか
- そもそも採用SNSって効果出るの?
- SNS採用ってどうやって運用するの?
SNSを活用する若い世代が増えてきたことで、求職者の情報収集の方法も変化してきました。
SNS採用は採用担当者が新しい手法を試す際の第一候補になっています。
本当に自社で取り入れるべきかどうか迷っているという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、採用特化のSNS運用代行事業で、中小企業の採用支援を行っている僕が、採用SNSについて解説していきます。
この記事を読めば、自社でSNS採用を取り入れるべきかどうか、SNS採用のメリット・デメリット、導入のステップについてわかります。ぜひ最後までご覧ください。

玉垣 侑也
楽天グループ株式会社を退職後、採用特化のSNS運用代行会社である株式会社kanaLを設立。中小企業の採用SNSの支援を行っている。
SNS採用とは?
そもそもSNS採用とは何なのか?言葉を聞いたことはあるけど、詳しくはわからないという人も多いのではないでしょうか?
SNSは聞いたことはあるけど、採用に使えるのは最近知ったという人も多いでしょう。
そこでまずはSNS採用とはどんなものなのか?について整理しておきましょう。
①SNS採用とはSNSを活用した採用活動のこと
まず結論から言うと、SNS採用とは企業がSNSを活用して求職者を発見し、採用につなげる手法を指します
採用の機能があるというよりは、企業の情報発信のためにSNSを使うという使い方です。
現代版の企業ブログがSNSに置き換わったという、言い方だとわかりやすいかもしれません。
SNSは数多くありますが、企業の採用SNSと言えば、TikTok/Instagram/X/YouTube/公式LINE/Wantedlyの6つです。
TikTok/Instagramを指すことが最も多いですが、Wantedlyという採用特化のSNSもベンチャー企業を中心に活用が進んでいます。
②SNS採用の種類は主に3つ-文章型/画像型/動画型-
数多くのSNSが採用に活用されていますが、文章型/画像型/動画型に分類されます。
文章型はX/Wantedly/公式LINE、画像型はInstagram、動画型はTikTok/YouTube/Instagramに分けられます。
それぞれの特長について以下にまとめました。タブの切り替えで確認できます。
X(旧:Twitter)とWantedly/公式LINEが分類される文章型SNSは、企業HPのブログ機能がSNSに置き換わったという形です。
特に立ち上げ初期のベンチャー系の企業であれば、活用するという機会が多くなります。
特にXは採用担当者、もしくは代表取締役が精力的に活動できる場合にオススメ。
Wantedlyは、ベンチャー企業で感度の高い求職者をターゲットにする場合にオススメ。
公式LINEは、説明会等の別チャネルから継続的な接点を持つためにオススメ。
設立直後のベンチャー企業には文章型SNS。採用広告など、採用費を多くかけている企業は画像型SNS。
20代からの認知獲得を行い応募者数を増やしたい場合は動画型SNSが最適です。
SNS採用が重要になっている背景とは?
次にどうしてSNS採用が重要視されるようにになっているのか、その背景について解説していきます。
先にすべて上げてしまうと以下の3つです。それぞれ詳しく解説していきます。
- SNSで採用の情報収集をする人が増えているため
- 若者世代へのアプローチに非常に有効なため
- 採用競争の激化による他社との差別化の必要性が高まっているため
①SNSで採用の情報収集をする人が増えているため

まず1つ目の理由は、企業のSNSがここ10年で重要な情報収集源に変化したことです。
MMD研究所の調査によると、2013年段階で求職中にSNSを用いて情報収集をした人の割合は9.7%しかいませんでした。
しかし、2023年の株式会社リソースクリエイションの調査では、85.0%にまで増加していました。
求職者はSNSのリアルな情報を収集するように行動が変化しているため、採用SNSの重要性kが高まってきています。
②若者世代へのアプローチに非常に有効なため

2つ目は若者世代へのアプローチに非常に有効な手段になっているためです。
実際、株式会社suneightの調査では以下のようなデータが発表されています。
- 23卒学生の81.0%が、「TikTokで企業の動画」を見た経験あり
- TikTokで企業動画を見たことがある学生の80.2%が、TikTokがきっかけで「企業に興味を持ったことがある」と回答
- 企業のTikTokを見た学生の66.2%が、TikTokで企業に興味を持ち、「実際にエントリーした」経験あり
特に10代20代の世代に効果的にアプローチできる手段として、SNS採用は注目を浴びています。
③採用競争の激化による他社との差別化の必要性が高まっているため
3つ目の理由は採用競争の激化により、他社との差別化の必要性が高まっているためです。
近年の採用は売り手市場と言われ、求職者有利、企業不利の状況が続いています。
特に少子高齢化で若手人材の数も減少しているため、必然的に他の企業よりも魅力的な求人を出さなければなりません。
大手企業と比較して条件面で劣る、中小企業の採用手法としてSNSが重要視されています。
採用に使えるSNSの種類と特徴一覧
次に採用に使えるSNSの種類と特徴について紹介します。すべて表にしてまとめた場合以下の通りです。
TikTok | 公式LINE | YouTube | X | Wantedly | ||
---|---|---|---|---|---|---|
タイプ | 文章型/動画型 | 動画型 | 文章型 | 動画型 | 文章型 | 文章型 |
年齢層 | 10代~50代 | 10代~20代 | 全年代 | 全年代 | 10代~40代 | 20代~30代 |
目的 | 内定承諾率UP 応募率UP | 認知向上 | 応募率UP | 内定承諾率UP 応募率UP | 認知向上 | 認知向上 |
成果が出るまで の期間 | 半年~1年 | 3か月~6か月 | 別チャネルによる | 1年~ | 1年~ | 1か月~ |
運用にかかる労力 | 画像作成等 工数が多い | 撮影と編集で 工数がかかる | 工数は少ない | 配信回数によるが長尺動画は 工数がかかる | 投稿が可能 | 気軽に月に数回の投稿 |
外注費用目安 | 月額15万円~ | 月額20万円~ | 月額5万円~ | 月額30万円~ | 月額5万円~ | 月額5万円~ |
オススメ | 別媒体で認知獲得 できている企業 | 応募数を増やしたい 中小企業 | 他SNSや説明会 からの誘導先 | 予算が潤沢にある 大手企業 | 担当者が精力的に 活動できる企業 | ベンチャー企業 |
どの媒体に取り組むのがオススメなのか?については以下の通り。それぞれ詳しく解説していきます。
- 応募率向上/内定承諾率向上ならInstagramがオススメ
- 若手に対する採用知名度向上ならTikTokがオススメ
- 継続的な接点を持つためには公式LINEがオススメ
- 採用担当者/社長の人柄を押し出すにはXがオススメ
- 採用予算が潤沢にある場合はYouTubeがオススメ
- スタートアップ企業ならWantedlyがオススメ
応募率向上/内定承諾率向上ならInstagramがオススメ
メリット | 視覚的に魅力が伝わりやすい 利用者の年齢層が幅広い | 応募率/内定承諾率の向上に効果的
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デメリット | 成果が出るまでに最低6か月 本格的な運用は工数がかかる | 拡散力はTikTokに比較すると低い
まず応募率/内定承諾率向上のためであればInstagramが最もオススメです。
というのも、Instagramは転職活動を進めるうえで、社名を検索される割合が最も高く70.5%もの人が検索するSNSです。(参考:株式会社リソースクリエイション調査)
Instagramを整えることで、求人サイトなどで知ってもらった後、応募に繋がりやすくなります。
選考が進んだ後にInstagramを見てもらうことで、内定承諾率向上にも繋がります。
一方拡散力はTikTokに比較するとあまり高くなく、企業の認知度を向上させるためであればTikTokの方がオススメだと言えます。
若手に対する採用知名度向上ならTikTokがオススメ
メリット | 10代~20代に対する拡散力が高い 比較的短期間で成果が出やすい 動画なので社内の雰囲気が伝わりやすい |
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デメリット | 撮影/編集に工数がかかる ハイクラス層には効果が薄い 運用ノウハウが必要 |
10代~20代をターゲットに、企業の知名度を向上させたいのであればTikTokが最もオススメ。
株式会社ガイアックスの調査では、10代の利用率は66.4%、20代の利用率は47.9%となっています。さらに株式会社suneightの調査では以下のようなデータが発表されています。
- 23卒学生の81.0%が、「TikTokで企業の動画」を見た経験あり
- TikTokで企業動画を見たことがある学生の80.2%が、TikTokがきっかけで「企業に興味を持ったことがある」と回答
- 企業のTikTokを見た学生の66.2%が、TikTokで企業に興味を持ち、「実際にエントリーした」経験あり
TikTokというどちらかというとエンタメのイメージがある媒体ですが、実は20代の求職者は就職活動でTikTokを活用しています。
ただ、撮影や動画編集などにかなり工数が必要で、月8本投稿を行うのであれば大体60時間分の工数がかかります。
TikTok運用を行うのであれば、外注も視野に入れた戦略を立てる必要があります。
継続的な接点を持つためには公式LINEがオススメ
メリット | 一斉送信で読んでもらえる可能性が高い 継続的なアプローチが出来る 運用に必要な工数が少ない |
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デメリット | 別チャネルでの集客が必要 初期設定に工数がかかる |
継続的な接点を持つためには、公式LINEがオススメ。
というのも公式LINEは、一斉配信が可能で開封率は40%越えと配信が求職者に届きやすいSNSです。
ただ、公式LINE自体に集客機能はなく、別の方法でLINE友達追加をしてもらう必要があります。
なので、例えば、以下のような別チャネルでの集客が必要になってきます。
- 合同説明会参加学生に友達追加してもらう。
- TikTok/Instagramと連携して興味を持った人に友達追加してもらう。
- 公式HPにURLを張って友達追加してもらう。
1回きりの接点で終わらずに、定期的に自社の魅力を配信できるのが強みです。
弊社の支援では、TikTokとInstagramからの誘導先として公式LINEの活用を行っています。
採用担当者/社長の人柄を押し出すにはXがオススメ
メリット | 運用に必要な工数が少ない 人柄で選んでもらえる |
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デメリット | 効果が出るまでに時間がかかる 上手くいくかは担当者の力量による |
採用担当者/社長の人柄を押し出すにはXがオススメです。特に創業当初の社員集めによく利用されます。
ただし、社長自体が精力的に発信したり、採用担当者が精力的に発信する必要があります。
短文の投稿なので工数はかからないですが、企業としてではなく担当者としてのアカウントになるので、属人性が高くうまくいくかは人柄による部分も大きいです。
特に創業初期の段階で、自分の志に共感してくれる社員を集めるのにオススメです。
採用予算が潤沢にある場合はYouTubeがオススメ
メリット | 長尺の動画で企業の魅力を伝えやすい 伝えられる情報量が多い |
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デメリット | 効果が出るまでに時間がかかる 運用には工数がかかる |
採用予算が潤沢にあり、しっかりと時間をかけられる場合はYouTubeがオススメです。
YouTube動画で10分~20分以上の動画を投稿することで、企業の魅力を余すことなく伝えることが出来ます。
ただ、台本作成や撮影/編集にかなりのコストがかかるため、採用予算を潤沢に用意できる場合YouTubeから初めてみるのがオススメです。
拡散性が低いため、企業の採用知名度向上というよりは、内定承諾率向上を目的とした施策になります。
スタートアップ企業ならWantedlyがオススメ
メリット | 感度の高い人材を採用出来る 企業のビジョンに共感した人を採用できる |
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デメリット | 利用に月額5万円かかる 「カジュアルに話を聞いてみたい」というユーザーが多い |
スタートアップ企業ならWantedlyがオススメです。
条件面というよりは企業のビジョンに共感した人を採用出来るのが特徴。特に明確なビジョンがあり、今後の成長を見込めるようなスタートアップ企業にとてもオススメ。
ただ、利用には最低月額5万円かかってしまうので、SNS独自の無料で始められるというメリットはありません。
定期的にブログ投稿を行い、スタートアップ企業のブランディングと並行して利用するのにオススメです。
SNS採用の成功事例集6選を各SNSごとに紹介
次に実際SNSを活用した採用成功事例を6つ紹介します。各SNSごとに1つずつ紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
【インスタグラム】サイバーエージェントが8000人越えのフォロワー獲得

アカウントURL:サイバーエージェント新卒採用【公式】
Instagram採用の成功事例は、大手IT企業であるサイバーエージェントの新卒採用アカウントです。
新卒のインターン生がアカウント運用を行っており、インタビュー投稿を中心に画像投稿を行っています。
サイバーエージェントの志望者がアカウントを閲覧することで、働いた後のイメージが湧きやすくなっています。
ただ、Instagramの画像投稿は拡散性が低いため、画像のみでは大手企業以外は成果が出づらいという性質があります。
中小企業の採用知名度アップのためであればショート動画(リール投稿)の運用が必須。
サイバーエージェントのような画像メインの運用は、すでに知名度が取れている企業が応募率/内定承諾率UPのために活用する運用方法になります。
【TikTok】三和交通が30名の新卒採用に成功し平均年齢は-10歳に
アカウントURL:三和交通株式会社
首都圏のタクシー会社である三和交通は、取締役がTikTokで踊る動画が大バズりし、社内の平均年齢は-10歳になりました。
2019年から動画投稿を開始して、おじさんが踊っている動画が好感触。タクシー業界の古いイメージを払拭し採用を成功させています。
TikTokは拡散力が高く、10代~20代の応募増加のための施策として効果が大きいです。
ただ、2025年現在のTikTok採用アカウント運用の傾向としては、踊ったりドッキリしたりのハイテンションな動画は少なくなっております。
あくまでも素を見せるような動画構成で、採用に繋げるような運用を弊社では行っております。
【公式LINE】株式会社リクルートジョブズが応募件数約79%増

求人情報メディア「タウンワーク」を運営する株式会社リクルートジョブズは、公式LINEの活用によりバイト応募件数約80%増加しました。
リッチメニューと呼ばれる、トーク画面下に配置される画像をうまく活用することで、応募までの導線をスムーズにすることで成果が出ました。
求職活動は1度の接触で応募するのではなく、複数回の接触で応募することもあります。
継続してアプローチできる公式LINEの友達追加に誘導することで、応募率UPを図ることが出来ます。
参考記事:バイト応募件数約80%増!リッチメニューを生かしたタウンワークのLINE活用事例
【X】株式会社SWIFTが起業4か月で11人採用
起業して4ヶ月目。弊社11名メンバーいますが、全てXで採用してる。メンバーの中にはBIG4大手コンサル卒や東大卒もいる。実はXって高度人材がかなり多い上、プロフィールでどんな人かチェックできるのでめっちゃいい。特に社長からのヘッドハンティングは相手も嬉しいしかなりおすすめ。Xで採用すべし。
— 井口亮平@株式会社SWIFT代表 (@Ryohei_Iguchi) April 2, 2025
特に起業初期の段階で重宝するのが、X(旧twitter)です。X運用支援会社である株式会社SWIFTは企業4か月で11名のメンバーを採用しました。
特に代表取締役が精力的に発信できる場合に効果的で、考えに共感した人を採用出来るのが特徴です。
企業アカウントとしての運用というよりは、担当者アカウント、代表取締役のアカウントを作成して運用することが多いです。
【YouTube】美容室で3か月で4人の採用に成功
YouTubeを活用して、美容師の採用に成功した事例もあります。
美容師の採用はかなり難易度が高く、半年間求人掲載をしても1人しか採用できない場合もあります。
その一方YouTubeを活用することで、3か月で4人採用に繋がったというこの事例は、費用対効果としては抜群であると言えるでしょう。
【Wantedly】eスポーツ企業の株式会社JCGが12名の採用に成功

特にスタートアップ企業にオススメなのがWantedlyです。
今回紹介する事例はeスポーツ企業である、株式会社JCGが1年で中途10名・新卒2名の採用に成功したという事例です。
Wantedlyはビジョンや事業内容に興味がある人を採用しやすく、「eスポーツが好きな人」を採用したい!という、熱量の高い人材の採用に成功しています。
参考記事:従来の求人では求める人材に出会えなかったeスポーツ企業。運用ノウハウを積み重ね、12名の採用に成功!
SNS採用を導入する5つのメリット
わざわざ採用媒体ではなく、SNSでの採用をする必要ってあるの?と疑問に思っている方も多いでしょう。
そこで今回は他の採用手法と比べて、SNS採用が優れている点を紹介します。
先にすべて上げてしまうと以下の5つ。それぞれ詳しく解説していきます。
- 企業の本質的な魅力が伝わりやすいので中小企業で有効活用可能
- 潜在層にアプローチできるので長期的な採用コスト削減に効果的
- 比較的低コストで運用が可能なので費用対効果が高い
- 伝わる情報量が多いのでミスマッチや短期離職を減らせる
- 求職者と気軽にコミュニケーションが取れる
メリット①:企業の本質的な魅力が伝わりやすいので中小企業で有効活用可能
まず1つ目の採用SNSのメリットは、企業の本質的な魅力が伝わりやすいので中小企業で有効活用が出来るという点です。
求人広告や人材紹介では伝えられる内容に限りがあり、条件面のような表面的な部分が比較される傾向にあります。
その一方SNSを活用すると、企業の魅力や人の魅力など、待遇面以外の本質的な魅力が伝わりやすいです。
だからこそ、大手企業と比較して条件面で不利な中小企業が、他社との差別化に利用できるという点がSNS採用のメリットです。
メリット②:潜在層にアプローチできるので長期的な採用コスト削減に効果的
2つ目の採用SNSのメリットは、潜在層にアプローチできるので長期的な採用コスト削減に効果的である点です。
求人サイトへの掲載では、今すぐ転職したい人に向けてアプローチを行います。そのため採用サイトは競争が激しいのが特徴です。
その一方SNSでは、今後転職する可能性がある人に対してアプローチを行います。そのため、採用サイトよりも競争は少なく、じっくりと接点を持つことが可能。
採用サイトは広告費としてずっと流れていきますが、採用SNSではフォロワーとして資産になり長期的な採用コスト削減に繋がります。
メリット③:比較的低コストで運用が可能なので費用対効果が高い
3つ目の採用SNSのメリットは、低コストもしくは無料で運用を始めることが出来るという点です。
求人サイトへの掲載では、正社員採用の場合月20万円ほど掲載料がかかります。
一方で、採用SNSを見るとWantedlyは月額5万円かかりますが、それ以外のSNSは無料運用が可能。
自社でSNS運用ノウハウを構築できると、低コストで運用が可能で費用対効果が高くなる傾向にあります。
もちろん運用には労力が必要ですが、長期的に見ると採用コストの削減に繋がります。
メリット④:伝わる情報量が多いのでミスマッチや短期離職を減らせる
4つ目の採用SNSのメリットは、伝わる情報量が多いのでミスマッチや短期離職を減らせるという点です。
求人サイトでは、多くの場合1回見て応募するかしないかを決めます。そのため、求人サイトでは伝えらる情報がかなり少ないです。
一方で採用SNSでは、何度も投稿を見てその企業のことを知った上で応募することになります。
SNSを通じて企業の目指す方向性や社員の人柄を知った上で応募するため、ミスマッチが少なく短期離職を減らすことが出来ます。
メリット⑤:求職者と気軽にコミュニケーションが取れる
5つ目は求職者と気軽にコミュニケーションが取れるので、応募までの懸念点解消が容易になるという点です。
求人サイトを見ると、少し気になった求人でも懸念点が1つあれば応募されない可能性もあります。
ただ採用SNSでは気軽にコメントでコミュニケーションが取れるので、懸念点を事前に解消することが出来ます。
実際、保育園を運営する株式会社ハイフライヤーズは、TikTokライブを活用して求職者とコミュニケーションをとることで30人の採用に繋がっています。
Instagramでも、ストーリーズ機能やLIVE配信機能を使って気軽なコミュニケーションで事前に懸念点解消することが出来ます。
SNS採用を導入する4つのデメリット
SNS採用のメリットについて紹介してきました。ただ、SNS採用にはいくつかのデメリットも存在します。
SNS運用し始めてからこんなはずじゃなかったと後悔しないように、デメリットについても紹介します。
先にすべて紹介してしまうと以下の4つ。それぞれ詳しく解説していきます。
- 長期的な運用が必要なので効果を感じるまでに時間がかかる
- 攻めた投稿をした場合企業イメージ低下のリスクが伴う
- 運用に手間と時間がかかるのでSNS担当者が必要
- 運用ノウハウがない場合全く成果が出ない
デメリット①:長期的な運用が必要なので効果を感じるまでに時間がかかる
SNS採用の1つ目のデメリットは、長期的な運用が必要なので効果を感じるまでに時間がかかるという点です。
ノウハウ0から自社運用をしようとすると、効果が出るまでに1年ほどは見ておくのが賢明です。
というのもSNSは初期はフォロワーも少なくみられづらいという性質があります。
あくまで「今すぐ採用するための施策」ではなく「今後採用に困らないための施策」として位置付けましょう。
デメリット②:攻めた投稿をした場合企業イメージ低下のリスクが伴う
SNS採用の2つ目のデメリットは、攻めた投稿をした場合企業イメージ低下リスクが伴うという点です。いわゆるSNSが炎上するという現象です。
SNSは過激な投稿が見られやすい傾向にあります。
そのため、再生数やフォロワー数を獲得するためだけに、過激な動画を投稿するようになっていく企業も少なくありません。
特に社内にSNSに詳しい人がいない場合、再生数のみを求めて炎上するケースがあります。必ず複数人で確認する体制を作っておきましょう。
関連記事:企業のTikTok採用アカウントでの炎上事例3選!原因と対策も徹底解説
デメリット③:運用に手間と時間がかかるのでSNS担当者が必要
SNS採用の3つ目のデメリットは、運用に手間と時間がかかるのでSNS担当者が必要という点。
求人サイトへの出稿の場合は、ある程度最初の原稿を入れればほったらかしでよかったです。
それと比較してSNS採用では、SNSを運用し続けなければなりません。
X(旧twitter)では毎日投稿/Instagram・TikTokでは月に8投稿/YouTubeでは月に4投稿くらいが最低投稿数の目安になります。
SNS運用工数として、最低でも60時間ほど確保しておかなければなりません。運用担当者を1人~2人ほどつけることが必須になってきます。
デメリット④:運用ノウハウがない場合全く成果が出ない
SNS採用の4つ目のデメリットは、運用にノウハウがない場合全く成果が出ないという点。
求人サイトへの出稿の場合、知識のある担当者がついてくれて方向性自体は示してくれます。
その一方SNSでは担当者はついてくれません。運用の方向性が間違っていると、工数がかかるわりに全く採用に繋がらないこともあります。
なので、運用開始時期はSNS運用代行会社に依頼して、正しい方向性を定めてもらうことがオススメです。
弊社は内製化前提での依頼も受け付けております。まず1度お気軽にご相談ください。
SNS採用で成果を出すための導入手順8STEP
SNS採用は確かに効果的な施策の1つですが、ただ漠然と運用していても効果はでません。
実際、弊社に相談に来る企業様も、自社運用をしたけど全く成果が出なかったという話が多いです。
そこで今回は必ず押さえておいてほしい運用手順を紹介します。
先にすべて紹介してしまうと以下の8つです。それぞれ詳しく解説していきます。
- SNSを運用する目的を決める
- どんな人をSNSで採用したいのかを決める
- どのSNSを使うのかを決める
- SNSで何を伝えたいかを洗い出す
- どんな投稿をするかを決める
- 更新頻度を具体的に決める
- 運用体制を具体的に決める
- 定期的に分析と改善を行う
STEP1:SNSを運用する目的を決める
まず最も初めにやるべきことは、採用においてSNSを運用する目的を決めるという点です。
採用SNSは意外といろいろな使い方が出来ます。使い方によって使うべきSNSも変わってきます。
- 会社の知名度を上げて直接応募に繋げたい
- 会社HPと連携して応募率を上げたい
- 1次面接通過者に案内をして面接/内定辞退率を下げたい
- 合同説明会の後、定期的にアプローチを出来るようにしたい
SNSから会社の知名度を上げたいのであれば、拡散力の高いショート動画投稿(TikTok/Instagramリール/YouTubeショート)は必須です。
逆に会社HPを見た人や面接に来た人に対して、魅力を発信するのであれば画像投稿や長尺動画でも効果があります。
合同説明会から定期的にアプローチを出来るようにしたい場合は、公式LINE運用が良いでしょう。
自社の採用課題は、認知度なのか。応募率が低いことなのか。面接/内定辞退が多いことなのか。どこが課題なのかでSNSを運用する目的が異なります。
STEP2:どんな人をSNSで採用したいのかを決める
次にどんな人をSNSで採用したいのかを決めることが重要です。
1人の人間を思い浮かべて、SNSから採用したい理想像を考える作業。
ターゲットはしっかりと絞ることが重要です。
広いターゲットだと誰にも刺さらない投稿になってしまうので、結局誰も採用できないことに繋がりかねません。
まずは1人の採用ターゲットを作成し、1人に刺さる投稿を作成する準備をすることが重要です。
STEP3:どのSNSを使うのかを決める
3つ目はどのSNSを使うのか、ターゲットやSNSを使う目的に応じて決定してください。
それぞれのSNSの特長をまとめた表を貼っておきます。
TikTok | 公式LINE | YouTube | X | Wantedly | ||
---|---|---|---|---|---|---|
タイプ | 文章型/動画型 | 動画型 | 文章型 | 動画型 | 文章型 | 文章型 |
年齢層 | 10代~50代 | 10代~20代 | 全年代 | 全年代 | 10代~40代 | 20代~30代 |
目的 | 内定承諾率UP 応募率UP | 認知向上 | 応募率UP | 内定承諾率UP 応募率UP | 認知向上 | 認知向上 |
成果が出るまで の期間 | 半年~1年 | 3か月~6か月 | 別チャネルによる | 1年~ | 1年~ | 1か月~ |
運用にかかる労力 | 画像作成等 工数が多い | 撮影と編集で 工数がかかる | 工数は少ない | 配信回数によるが長尺動画は 工数がかかる | 投稿が可能 | 気軽に月に数回の投稿 |
外注費用目安 | 月額15万円~ | 月額20万円~ | 月額5万円~ | 月額30万円~ | 月額5万円~ | 月額5万円~ |
オススメ | 別媒体で認知獲得 できている企業 | 応募数を増やしたい 中小企業 | 他SNSや説明会 からの誘導先 | 予算が潤沢にある 大手企業 | 担当者が精力的に 活動できる企業 | ベンチャー企業 |
STEP4:SNSで何を伝えたいかを洗い出す
自社で採用SNSをする企業が最も忘れやすいのが、SNSで何を伝えたいのかを洗い出す作業です。採用コンセプト設計とも言います。
まだ自社でしっかりとコンセプト設計できていない場合、以下の6つをまずは洗い出してみてください。
- 自社の強み
- 自社の弱み
- 業界の強み
- 業界の弱み
- ターゲットが求めるもの
- 競合他社の状況
弊社の場合、自社の強み/自社の弱み/ターゲット(ペルソナ)設計/ターゲットの求めるものは、ワークショップ形式で1~2時間ほど話合いする場を設けております。
そのうえで、SNSで伝えるべき情報を3つに絞るのがオススメです。
この採用コンセプト設計は、求職者に魅力を伝えるという面で必ず必要になるポイントです。
STEP5:どんな投稿をするかを決める
次にSNSでどんな投稿をするのか決めます。投稿企画の作成ですね。
目的/ターゲット/伝えたいことに応じて投稿内容は変える必要がありますが、投稿内容で意識してほしい点は、以下の3点です。
- CMのような直接的なPR投稿はSNSでは避ける
- 間接的にアピールできるような企画を考える
- トレンドや各SNSの特性に沿った企画を考える
例えばですが、社員の仲が良いことは、休日に遊びに行った様子をVlog形式で投稿すると間接的にアピールできます。
あくまで間接的に会社の強みを伝えることを意識して投稿作成を行ってください。
STEP6:更新頻度を具体的に決める
次に更新頻度を具体的に決めておきましょう。どのくらい更新するのかを決めておかなければ、更新は必ず止まります。
Instagram/TikTokであれば月8本投稿は最低限行いましょう。
しっかりと月8本投稿をしようとすると、大体60時間ほどの工数が発生しますので、担当者の工数確保も行う必要があります。
STEP7:運用体制を具体的に決める
次に運用体制を具体的に決めるという点です。誰がSNSを運用するか、どのようなチェック体制を行うを決定してください。
SNS担当者は1人ではなく、採用の部門の人間とSNSに詳しい人間の2人以上の体制で行うことをオススメします。
1人で運用するケースが多々ありますが、複数人でチェックする体制を整えておかなければ炎上するケースもあります。
若い人に丸なげではなく、採用に知見がある人/SNSに知見がある人の体制で運用しましょう。
STEP8:定期的に分析と改善を行う
最後のステップとして定期的な分析と改善を行うことが重要です。
確かにSNSは継続することが重要ですが、ただ継続しても方向性が間違っていれば成果は全く出ません。
月に1回は、各投稿の数値分析で伸びている投稿の共通点や、伸びていない投稿の共通点など課題を分析しましょう。
中長期的にはアピールポイントの再選定や、採用ターゲットの再選定、なども改善施策として挙げられます。
自社運用でも月に1回ほどレポート作成のフローを追加して、課題点と改善施策のサイクルを回すことを意識しましょう。
SNS採用によくある失敗事例5選
SNS採用に取り組んで、あまり成果が出なかったという声は何度も聞きます。
その失敗事例はほとんど同じ要因であることが多いです。そこで今回はよくある失敗事例をまとめました。
先にすべて紹介してしまうと以下の5つ。それぞれ詳しく解説していきます。
- 再生数(リーチ数)のみを追い求めて採用に繋がらない
- 編集を行わず質の低い投稿になっている
- 過激な投稿になってしまい逆に評判を落とす
- 自社の押し出す強みを明確にしないまま投稿する
- 運用ノウハウがないまま投稿を続けて無駄に終わる
失敗事例①:再生数(リーチ数)のみを追い求めて採用に繋がらない
まず1つ目は、再生数(リーチ数)のみを追い求めて採用に繋がらないという点です。
SNSというのは短期で成果が出ないからこそ、わかりやすい指標は再生数(リーチ数)になります。
ただ、再生数(リーチ数)だけを求めてしまうと、成果の出ないアカウント運用になってしまいます。
例えば、寸劇のような動画だったり、ドッキリの動画だったり。確かに再生数は稼げますが、企業の魅力はつたわりません。
あくまでも企業のPRという点で取り組み、投稿作成を行ってください。
失敗事例②:編集を行わず質の低い投稿になっている
2つ目の失敗事例は、編集を行わず質の低い投稿になっているという点です。
写真を全く加工せずにインタグラムに投稿している、動画編集をせずにTikTokに上げている。
特に自社運用で行っている企業様に多いです。
Instagramの画像投稿であれば、しっかり文字入れをして投稿。TikTokなどのショート動画投稿であれば、しっかりテロップ等入れて投稿。
編集せずに上げるだけでは、ほとんど成果は出ません。
失敗事例③:過激な投稿になってしまい逆に評判を落とす
3つ目の失敗事例は、過激な投稿になってしまい逆に評判を落とすパターン。
これは再生数(リーチ数)のみを追い求めてしまった結果、過激な投稿になる場合が多いです。
炎上してしまうと逆に採用に悪影響を及ぼす場合もあるので、必ずチェック体制は整えて運用しましょう。
失敗事例④:自社の押し出す強みを明確にしないまま投稿する
4つ目の失敗事例は、自社の押し出す強みを明確にしないまま投稿しているパターン。
とりあえず投稿をすればいいと考えて、業界あるあるネタばかり投稿してしまう事例です。
確かに業界の話をするのは、経験者や業界に興味を持っている人が集まりやすいので有効な施策です。
ただ、業界あるあるばかり投稿すると自社の魅力が全く伝わらないので、効果の薄いアカウントになってしまいがちなのは注意点です。
失敗事例⑤:運用ノウハウがないまま投稿を続けて無駄に終わる
5つ目の失敗事例は、運用ノウハウがないまま投稿を続けて無駄に終わるというパターン。
SNSは編集スキルで学習期間2~3か月ほど、SNS運用スキルは半年ほど習得にかかります。
特に自社内でSNSに詳しい人がいないと、多くの時間を浪費することにも繋がりかねません。
初めから運用代行会社に依頼して、後から内製化をするというのも1つの手でしょう。
弊社では、内製化を前提とした運用代行も承っていますので、ぜひお気軽に1度ご相談ください。
SNS採用に関するよくある質問と回答
弊社が多くの中小企業の採用担当者様とお話をするうえで、よく聞かれる質問について回答をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
Q1.SNS採用で成果の出やすい企業と成果の出ない企業の違いは?
SNS採用で成果の出やすい企業の特長と成果の出にくい企業の特長を紹介します。
事務職やコンサル職など、人気職種は採用サイト等の方が成果が出る場合もあります。
ただ、ブルーカラー職(建設/運送/製造など)やB2B職種など、採用サイトでは成果が出づらい業種は、SNSのほうが成果がでることが多いです。
Q2.採用SNSでおくべきKGI/KPI(目標値)は何ですか?
採用SNSでおくべき目標値に関しても、よく質問があります。
SNS運用の目的にもよりますが、大目標(KGI)に関してはSNSを見て採用/応募が来た人数として、面接時や応募時にアンケートを取ることが多いです。
小目標に関しては、投稿のリーチ数(見てもらった数)/採用ページへのアクセス数/投稿数の3つが主な指標として挙げられます。
ただ、プロフィールリンクからではなく、Google検索をして採用ページを見る場合も多いです。
SNS導入前と導入後の採用ページのアクセス数を比較して効果測定することも重要です。
弊社の運用の際は、(業界や企業にはよりますが)以下の3点を基準として考えております。
- リーチ数:1投稿あたり3,000~10,000
- 採用ページアクセス率:0.5%~1.0%
- 応募率:0.5~1.0%
なので1年で3名採用/10名の応募獲得するためには、80投稿必要なので月6~7投稿程を行うのが目標というような計画の立て方を行います。
(※応募率0.5%/採用ページアクセス率0.5%/1投稿のリーチ数5,000人をKPI)
Q3.採用SNSはどのくらいで成果がでますか?
採用SNSはどのくらいで成果が出るかについてよく聞かれますが、基本的には長期目線で考えておきましょう。
Instagram/X/YouTubeについては1年ほど、TikTokについては6か月ほどを見込んでおくのがオススメです。
Q4.集客用のSNS運用とは何が違いますか?
集客用のSNSでうまくいっているから、採用アカウントでも同じ運用でうまくいくのではないかと考えている企業様も多くいます。
ただ、集客と採用のアカウントでは、運用の考え方がかなり変わってきます。
集客では投稿単位で改善を続けることが多いですが、採用ではアカウント単位で改善を続ける施策が多いです。
集客は採用と比較して検討期間が短く、商材によっては1つの投稿を見ただけでも購入にいたります。
採用に関しては、求職者の検討期間が長いため、1動画で応募することはありません。だからこそ採用の施策は、アカウント単位で伝えたいことを明確にする必要があります。
集客のアカウントよりも、採用コンセプト設計をしっかりと行う必要があるのが採用アカウントの特長です。
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まとめ
SNS採用は、特に中小企業の採用に非常に効果的な施策の1つです。
採用サイトに掲載しても全く効果がないという企業でも、企業独自の強みを伝えやすいのがメリット。
ただ、一方で運用工数がかかったり、トレンドを把握している運用担当者が必要なのも事実。
自社で運用出来そうかも含めて1度検討してみてください。
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